親の家が空き家のままの方は注意!相続登記の義務化とは?

最近、相続された不動産の「相続登記」が未完了のケースが増えており、これが大きな社会的課題となっていますが、ご存知でしたか?

驚くことに、日本全土で所有者不明の土地の合計面積は、九州地方と同等の広さにも及ぶと言われています!!特に、親族の住居が空き家となり、現状が不明確な場合、注意が必要です。

この記事では、空き家問題や相続登記の未実施に関連する情報を詳しく解説しています。相続関連の手続きに不安がある方や、空き家の現状を把握したい方に向けた内容となっています。

さて、この記事の主要なポイントを一緒に確認していきましょう。

・「相続登記の義務化」とは、親族からの相続により不動産を受け継いだ際に、その所有権を正式に登記することが法的に義務付けられている制度です。この義務を怠ると、最大10万円の罰金が課される可能性があります。

・相続登記を行う前の手続きとして、まず親族間での分割協議が必要です。その後、法務局への正式な申請が続きます。

・放置された空き家は、犯罪の舞台となるリスクや、地震による倒壊の危険性が高まります。

・相続登記を進める際には、専門家である司法書士への相談しましょう。

目次

1. 相続登記とは

親や祖父母の逝去後、土地や建物の相続者を決定する協議が必要となります。その後、必須となるのが「相続登記」です。「登記」とは、不動産の所有者情報や権利関係を公的に明示する手続きを指します。

重要な点として、亡くなった所有者の名義が自動的に次の所有者に変わるわけではないのです。
遺言や遺族間の合意に基づき、新しい所有者の情報を法務局に正式に登録する手続きが求められます。

しかし、この相続登記が適切に行われないケースが増えており、結果として所有者不明の空き地や空き家が増加しているという社会的課題が浮上しています。

2. 相続登記の義務化の施行とは

新たに「相続登記義務化法」が令和6年(2024年)4月1日に施行されることになりました。
これまで、相続登記に関する罰則は存在しなかったのですが、この新法により、相続登記を適切に実施しない場合、罰則が適用されることとなります。
具体的には、正当な理由がないまま3年以上相続登記を放置すると、最大10万円の過料が課される可能性が生じます。

2-1. 相続(取得)したことを知ってから3年以内に行う

相続登記は不動産の相続を知った、もしくは取得してから3年以内に申請を行う必要があります。

「知った時点」とは、例えばその不動産に実際に住み始めた、もしくは遺産協議が確定した日付などになってきますが、この日付はケースバイケースになります。

2-2. 相続が発生しそうなタイミングで何をすればいいの?

相続が発生(=不動産を所有している方が亡くなった)したタイミングで、まずは相続人(相続を受ける権利がある人)全員で協議を行い、遺産分割協議をします
その後、その結果をもとに不動産の次の所有者の方が、法務局で登記を行います

2-3. 登記は司法書士に任せる方が安心

登記自体は、法務局でできるのですが、登記に関連する書類などを用意しないといけない兼ね合いから、専門家に相談して登記を行うことをおすすめします。この際の専門は、司法書士です。
土地の分筆(1つの土地を2つにわけること)や、隣地との境界線が明確でない場合に、土地家屋調査士にも依頼を行い、境界などを確定させてから登記を行います。

2-4. 令和6年4月以前に相続した物件も対象に

上記の義務化の法律は、実際には令和6年(2024年)4月に施工されますが、それ以前に相続が発生している物件も対象になります。

そのため、親族が亡くなって放置している空き家・空き地などに心当たりがある方は、登記の手続きを早めに済ませた方がよいでしょう。

2-5. 相続予定の不動産を所有している方は遺言書の作成を

高齢者や不動産所有者の中には、将来のトラブルを避けるために、生前に遺言書を作成することを検討される方が増えています。
不動産、特に家や土地は物理的な資産であり、簡単に分割することが難しい性質を持っています。これが原因で、遺族間での売却の是非など、複雑な問題が生じることがあります。
さらに、古い物件の中には「未登記物件」として、正式な登記がされていないケースも存在します。このような物件に関しては、相続登記を行う前に、所有者や権利関係を明確にする「表題登記」の手続きが必須となります。

3. 空き地・空き家にしておくことのリスク

出雲地方でも、このような事情から所有者不明の空き家・空き地が多くあります。空き家にしておくことでのリスクなどを見ていきましょう。

3-1. 倒壊のリスクや犯罪の温床になる

空き家は、大地震時の倒壊リスクが高いという問題が指摘されており、出雲地方をはじめ、全国の自治体が積極的に対策を進めています。
「空き家ならば、倒壊しても被害者はいないのでは?」と考える方もいるでしょう。
だが、実際の危険は、家の中の住人よりも、通行中の人々や、倒壊により「道路が遮断されること」にあります。阪神淡路大震災では、倒壊した家が道路を塞ぐ事態が多発し、救助活動の遅延が生じました。
さらに、空き家は犯罪者にとって隠れ家として魅力的です。移動しながら空き家を利用する犯罪者との不慮の出会いは、重大なリスクを伴う可能性があります。

3-2. メンテナンスしていない空き家は急激に劣化する

住まい手のいない家は、時間とともに急速に老朽化していきます。定期的な通気や修繕が行われないため、家の構造や設備は腐食や劣化が進行し、持続的なメンテナンスの欠如が家の寿命を縮めます。
さらに、放置された敷地には野良猫などが住み着くことがあり、これが原因で近隣住民からの苦情が生じることも。特に、相続登記が未完了の場合、問題発生時の連絡先が不明確となり、地域の安全や生活環境に悪影響を及ぼすリスクが高まります。
メンテナンス不足の建物は、倒壊の危険性を増大させ、地域社会にとっても大きな問題となります。

4. まとめ

島根県、特に出雲地区でも、未登記の空き家や空き地が社会的課題となっています。

新たな法律改正により、相続登記が義務付けられ、違反時の罰則も設けられています。この記事を読んで、何か心当たりがある方は、まずは不動産の登記状況を確認しましょう!!
登記が未完了であれば、専門家である司法書士に早急に相談し、手続きを進めることをおすすめします。
すでに相続登記を完了している方も、その不動産を最大限に活用する方法について、当記事で詳しく解説していますので、ぜひ続きをお読みください。


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