内装の壁はどうする?クロスだけじゃない!壁の仕上げ方法を解説!!

内装に使う壁の仕上げ材は、一般的にはクロス(壁紙)で仕上げることが多いです。

しかし実はクロス以外にも、漆喰や珪藻土など、様々な仕上げ材があります。

好みのインテリアや用途によって使い分けをすると、より一層洗練されたインテリアになるでしょう

今回は、そんなクロスや漆喰をはじめとした、壁の仕上げごとの特徴や用途を紹介していきます。

それでは、まず今回の記事の要点からお伝えしていきます。

要点

・壁材の種類はクロス、塗り壁、塗装、パネルに分けられる

・定番のクロス(壁紙)はコストを抑えつつ、柄が選べる ・塗り壁は、漆喰や珪藻土などクロスにはない、除菌や調湿の機能がある

・塗装は仕上げのオシャレさだけでなく、DIYにすることで思い出作りにもなる

・高級感を出したい方は、タイルや天然石がおすすめ

・コストダウンや後々のDIYをしたい場合は、合板や石膏ボードをそのまま仕上げにしてもいい

目次

1. 壁の仕上げの種類

出典:笑緒一HP

まずは、壁の仕上げ材にどんな種類があるのか?を確認していきましょう。

   項目       種類                  説明
クロス
(壁紙)
ビニールクロス (樹脂)表面にビニール素材を使ったクロス
紙クロス(紙)表面・基材ともに紙を使ったクロス
布クロス(織物)表面に布を使ったクロス
塗り壁
(左官)
漆喰(消石灰)石灰岩を加工した、消石灰(しょうせっかい)を塗って左官仕上げしたもの
珪藻土(珪藻)藻の仲間である珪藻が溜まった珪藻土を高温で焼いて作った素材。漆喰と同じく左官仕上げをする。
その他土壁漆喰や珪藻土以外にも、土屋砂を使ったぬりかべがあります。
塗装塗装(塗料)水性塗料などを使って、壁を塗装して仕上げる方法
パネルタイル(陶器)粘土や石材などを高温で焼いた素材で、劣化や変色に強い特徴があります。
天然石 天然石をそのまま活用したもので、代表的な素材は大理石や御影石があります。
サイディング
(セメント)
主に屋外で使われる、セメントを固めたパネルです。最近では室内の仕上げにも使われることもあります。
木材9~12㎜程度の木材を使います。芯材まで天然木を使う無垢材と表面だけ天然木を使う突板があります。
その他合板薄い木を何層にも重ねて出来ている9㎜~12㎜の木材で、下地材などに使われることが多いです。
石膏ボードカルシウムを固めた石膏を、パネル状にしたものです。通常は防火目的で仕上げ材の裏側にあります。

それでは、つづいて床材の種類ごとの特徴を深堀していきます。

2. 仕上げ種類ごとの特徴とメリット・デメリット

2-1. ビニールクロス

出典:リリカラ

クロスの中でも、もっとも一般的なものがビニールクロスです。

多くの内装では、壁面にこのビニールクロスが使われています。

その理由は、圧倒的な安さと、デザインの豊富さが理由です。

ビニールクロスでは、選べない柄はないというくらい様々なバリエーションを、お求めやすい価格で選ぶことができます。

また表面がビニールなので、汚れにも強く掃除がしやすいという点もメリットです。

一方でビニールクロスは、キズ対策や空気環境という点では、デメリットがあります。

まずキズに関しては、一度ついてしまえば補修ができず、無くすためには広範囲の壁紙を、再度貼りなおす必要性があります。

また空気環境について、ビニールクロスは湿気を全く通さないため、家の湿度が高くなると、表面が結露したり、それが原因でカビが起きたりすることがあるので、注意が必要です。

2-2. 紙クロス

出典:ナガイ エコフリース

先ほど紹介したビニールクロスと違い、表面が紙で出来ているのが、紙クロスです。

ビニールクロスと違い、表面が紙になっているので、透湿性があったり、後々塗装が出来たりする特長があります。

また紙特有の反射の少なさが、光などを優しく反射して、上質な空間を作ってくれます。

一方で、素材が紙であるため、ビニールクロスで出来た水拭きなどは、できないことが多いです。

2-3. 布クロス

出典:シンコール

布クロスは、その名の通り、表面が布で出来ています。

布クロスの良さは、なんといってもその高級感です。

織物で出来ているので、近くで見た時の織物が出す表現力が、本物の良さを醸し出します。

一方でビニールクロスや紙クロスにはなかった「ほつれ」など、布特有の不具合があるので、丁寧な扱いを心がけましょう。

2-4. 漆喰

出典:日本プラスター

ここからは、塗り壁の種類について、解説していきます。

塗り壁とは、素材をペースト状にしたものを、左官職人が塗って仕上げる壁の仕上げ方法を言います。

まずは漆喰について解説します。

漆喰とは、石灰岩を加工して出来た、消石灰(しょうせっかい)を、接着剤と混ぜたものです。

漆喰の特徴は、素材そのものが強いアルカリ性で、強い殺菌作用があることです。

その効果で浮遊する菌などを除菌して、臭いやカビの発生を防いでくれます。

また、見た目の面では、反射量が多い真っ白のものが多いので、部屋全体が明るく感じるというメリットもあります。

デメリットとしては、表面が平滑でないので汚れなどが付きやすいという点があります。

ただ、漆喰は削ったり、重ね塗りをすることができるので、削って補修することで、元通りのキレイさを取り戻すことができます。

2-5. 珪藻土

出典:笑緒一深呼吸

珪藻土とは、藻が化石化した物を高温で焼いて純度を高めた物をいいます。

基本的に漆喰と同じような使われ方をされたり、漆喰と混ぜて使われるようなことがあります。

珪藻土のもっとも特徴的な点は、その調湿効果です。

珪藻土を顕微鏡で見ると、一つの塊に無数の穴が空いています。

この穴の中に水分が入り込むことで、空気中の余計な水分を吸湿し、さらに室内が乾燥した時には、吸い込んだ水分を放出してくれるという、賢い素材です。

漆喰と混ぜることで、除菌効果を追加したりすることができます。

デメリットとしては、塗り壁共通で汚れが付きやすい点がありますが、珪藻土も漆喰と同じく補修が可能です。

2-6. その他土壁

出典:西澤工業「かぐや姫」

漆喰や珪藻土以外にも、塗り壁に使われる素材は数多くあります。

画像のような様々な土と、ワラスサと呼ばれる、稲・小麦等のイネ科の茎を乾燥させたものを混ぜて、左官仕上げをしていきます。

こうした土壁は、素材の豊富さと、施工する左官職人の味わいが合わさって、オリジナリティが高い内装が可能です。

デメリットとして、漆喰などに比べると表面がもろいことが多く、丁寧な扱いが必要になります。

2-7. 塗装

出典:PORTER’S PAINTS

近年流行のスタイルとして、塗装という方法があります。

クロスとは違った、塗装ならではの風合いがでて人気の仕上げ方法です。

塗装が人気の理由はDIYが可能という点にもあります。

もちろん業者の方に仕上げてもらう方法もありますが、ある程度の知識と準備があればDIYでも施工できるので、コスト減だけでなく、思い出作りとしても人気の仕上げ種類です。

塗料は、PORTER’S PAINTSやエコフラットなどが有名です。

塗装のデメリットとしては、仕上がりにムラがあることと、クロスのように掃除のしやすさなど機能性がない点があげられます。

2-8. タイル・天然石

出典:LIXIL

タイルは粘土や石材などを高温で焼いた素材で、天然石は石をそのまま活用したものです。

どちらの素材も、無機質な素材のため劣化や変色、水分に強い特徴があります。

ホテルのような内観、スタイリッシュなインテリアにされたい方におすすめです。

タイルの使い道として、リビングやトイレなどには、ザラザラした調湿効果のあるエコカラット(リクシル製)がよく使われます。

キッチンなどでは逆に油汚れが掃除しやすいように、ツルツルしたタイルを使うことが多いです。

天然石は大理石や御影石のような、磨いて使うツルツルしたものは、大人な高級感あるインテリアに使うことができます。

逆にごつごつした、磨かずに使う天然石は、少しレトロなカフェスタイルなどに使うことができます。

2-9. サイディング

出典:KMEW「SOLID」

サイディングは、主に屋外で使われる、セメントを固めたパネルです。最近では室内の仕上げにも使われることがあります。

もともと屋外で使われるものなので、耐久性は抜群で、昨今人気のSOLIDOは、その風合いも人気があります。

またサイディングは天然石などよりもコストが安く、天然石の代替としても使われることが多いです。

デメリットとしては、仕上げ材に厚みがあるので、事前に設計士と詳細な打合せが必要なことと、クロスなどに比べると材料費が高価なことです。

そのため、全体ではなく部分的な使い方がおススメです。

2-10. 木材

出典:マルウメ梅江製材所

内装材の定番として、木材があります。

板張り天井や、羽目板をつかった腰壁など、和風だけでなく、洋風な仕上げにも使える万能な素材です。

和の素材だと、スギやヒノキなどが定番の樹種で、洋の素材だとレッドシダー等が定番の樹種です。

木そのものの香りや、調湿効果もあり、空気環境を整えるという点でもメリットがあります。

一方でデメリットとしては、天然木特有の汚れやすさがあります。

木材は長く使える素材ですが、適切に清掃や塗装の塗りなおしなどのメンテナンスが必要です。

2-11. 合板・石膏ボード

出典:高広木材(OSBボード)

合板や石膏ボードは構造材や防火材として、通常は内装仕上げ材の裏側にあるものです。

しかし最近では、それをそのまま内装の仕上げとして使う例も、出てきました。

メリットとしてはコストの安さとその後のDIYのし易さなどがあります。

合板の代表的なものはOSBボードで、木材を固めた柄がアウトドア―の印象に合います。

合板ですとほかにも、表面の柄がおとなしい「シナベニヤ」や荒々しい節がある「ラワン合板」などがあります。

次に石膏ボードですが、今の住宅ではほぼ100%、石膏ボードが内装仕上げの裏側にあります。

たとえば、あまり目立たないクローゼットの中や、取り急ぎ使う予定のない子供部屋などは、あえて仕上げずに石膏ボードのままにしておくのも、コストダウンの方法です。

3. まとめ

壁の仕上げはインテリアの中でも、もっとも目に入る所なので、ぜひ家づくりの中でも時間を掛けたいところです。

また、見栄えだけでなく、機能性にも焦点を充てて選ぶことで、デザインも生活のし易さも両立した内装選びにつながります。

ぜひ「内装はクロス」と決めつけず、こだわりの部分や、コストダウンの部分を決めて、理想の家づくりに活かしてください。

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