太陽光パネルや蓄電池は設置してもいいの?メリットとデメリットを解説

「新築を建てるとき、太陽光発電システムは気になるけど本当のところはどうなの?」と思っている方も少なくないでしょう。

今回は太陽光発電をめぐる総論から、メリット・デメリットに至るまでフラットな目線でお伝えしていきます。

また、同時に注目を集めつつある蓄電池についても解説していきます。

まずは結論からお伝えします。

結論

太陽光発電システムは設置した方が経済的にはオトクですが、デメリットもあるため設置の判断には冷静に判断しましょう

・太陽光発電システムのメリットは、自家消費と災害対策、そして売電による効果です

・太陽光発電のデメリットは、初期コストと外観上目立つこと。外観デザインにこだわりたい方は、避けた方が無難なデザインに納まるでしょう

・蓄電池はまだ経済的にメリットがあるとは言い切れず、蓄電池を後付けできるパワコンを採用しながら太陽光発電のみがおすすめ

目次

1. 太陽光発電の本当の効果は「自家消費」

出典:シャープ

「太陽光発電って元が取れない!」と、どこかで聞いて、そのままのイメージの方もいるのではないでしょうか?

しかし、それは本当でしょうか?

実は、SNSなどで出回っている情報には正しくないものも多いため、ここでは客観的なデータをもとに解説をしていきます。

太陽光発電を導入するのにあたり、一番気になる太陽光発電の経済的な効果ですが、「売電」だけでなく「自家消費」という効果があることを忘れてはいけません。

この自家消費の効果を知らないと、太陽光発電は元が取れない、という話になりがちです。

1-1. 自家消費とは

太陽光発電は設置すると、晴れていれば自動的に発電を行うシステムです。

太陽光発電で発電した電気は、優先的に宅内で使っている家電製品などに電気が充てられ、余った分が電力会社へ売電として売られていく仕組みになっています。

この余った分を売電する単価が、昔に比べて安くなりました。

ただ一方で、電力会社から買う電気代が急激に高くなっており、家計を悩ましている方も多いのではないでしょうか。

太陽光発電は、この高い電気を買わずにエネルギーの一部を自給自足でき、電力会社からの電気の購入「量」を減らしてくれる効果があり、その効果は平均的に約35%減となっています。(パナソニック調べ)

1-2.オール電化の家との相性がいい

中国電力だけでなく、全国の電力会社でのオール電化向け契約(時間帯別契約)では、深夜帯の単価は安い反面、昼間(特に平日)の電気の単価は高く設定されています。

この単価が高い昼間は、太陽光が発電している時間帯と同じで、晴れていれば電力会社から電気を買わずに(買う量を減らして)普段と変わらない生活ができます。

晴れもしくは薄い曇りの日は、という条件付きではありますが、国内の平均的な晴天率は約3分の2となっていますので、意外と発電でカバーできる日は多いと言えます。

1-3. 島根県でも設置した方がオトク?

日本海側は冬季の雪を懸念されて、設置を見送る方が多いですが、結論から申し上げるとデメリットが許容できれば設置したほうがよいでしょう。

2. 太陽光発電をめぐる状況

2-1. 国は太陽光発電を推進

出典:太陽光発電の導入状況 – 日本電機工業会

世界だけでなく、日本も太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの導入は右肩上がりです。

パリ協定によって日本も、CO2削減率は2030年度に2013年度比▲26.0%(2005年度比▲25.4%)の水準にすることが目標となっています。東京都を筆頭に、家庭用として最も現実的な再生可能エネルギーは太陽光発電、として普及は進んでいます。

2-2. 市場価格

出典:令和5年・資源エネルギー庁・調達価格等算定委員会

住宅用の太陽光発電の設置費用は、新築でkWあたり26.1万円です。

リフォームなども考えると約27万円(2023年時点)が一般的な相場と言えます。一般的な家庭の電気を賄うには、おおむね5kW程度がおすすめですが、単純計算でいくと約135万円で設置ができます。

2-3. 売電の買取価格

出典:オムロン

上図のように売電の買取単価は下がってきています。

ただし、売電単価の下落と比例してシステム価格も下がっていることや、むしろ電気代の上昇が大きく自家消費の効果が非常に高いため、売電単価の下落はそこまで影響しません。

3. 太陽光発電のメリット

それでは太陽光発電システムのメリットをお伝えします。

3-1. 経済メリットは ” ほぼ確実に ” ある

出典:シャープ・発電シミュレーション

もっとも気になる経済メリットをシミュレーションしてみた表がこちらです。

島根市で5kWを設置した場合のシミュレーションの場合、設置費用(133万円 ※26.6万円 / kW)が、節電と売電の効果が毎月12,626円あり、約8年で償却できる計算です。

3-2. 災害時に電気を創る

太陽光発電は普段時だけでなく、停電時にも活用できます。

手動で切り替えを行えば、発電した電気をリアルタイムで使うことができます。

パワコンと呼ばれる、太陽光パネルで発電した電気を、家の中の電気として使えるように変換する機械1台で最大1500W(100V)まで電気が使えます。スマートフォンの充電やポットでお湯をわかす程度の電力は確保できます。

4. 太陽光発電のデメリット

それでは、太陽光発電の一般的なデメリット3つもみていきましょう

4-1. 初期コストが掛かる

住宅資材のコストが高くなっている今、住宅ローンを多めに組める方は多くはない状況です。

一般的な家庭であれば、年間の電気代を帳消しにしようとすれば、概ね5~6kW程度の容量がおすすめです。その場合、約150~180万円のコストがプラスオンになってきます。

ただし、長く見ても15年以内には初期コスト分の節約効果は出るため、初期コストが許容範囲内であれば設置を検討してみても良いでしょう。

4-2. 外観で気になる人もいる

太陽光発電は屋根に目立つため、外観で気になる方もいらっしゃいます。

特に外観デザインにこだわりたい方は避けた方が無難と言えるでしょう。

南側を中心に設置することが基本の為、南面が正面になる場合は特に目立つことになるため、デザイン重視の方にはおすすめしにくいです。

4-3. 設置工事を行う会社の選別が大事

訪問販売などでの悪質な工事が原因で、太陽光発電のイメージが悪くなっています。

ただし、メーカー認定店での施工では、雨漏りなど工事トラブルは滅多になく安心して任せることができる業者となっています。

ただし注意点としては、リフォームで設置をする場合、新築から10年適用される防水保証が切れる可能性があることです。

特に築10年以内で後付設置を検討される方は、新築時に建てた会社に相談してみるほうが無難でしょう。(太陽光発電による雨漏り以外は保証をしてくれるはずですが)

5. まとめ

以上のことから、太陽光発電は電気代が高騰している現在において、昔以上に必要性が高まっています

もちろんデメリットもありますが、島根の気候条件や一般的な市場価格から見ると、設置したときの経済効果は少なくありません

また最近では蓄電池が後付できるタイプの太陽光発電も出てきており、将来的なことを考えるとおすすめです。

電気代が高くて困っている方、特にオール電化の方であれば、今回の記事を参考に太陽光発電の設置を検討してみてはいかがでしょうか。

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