自然災害による停電や、電力料金の高騰が頻繁に話題になる中、蓄電池への関心が高まっています。
しかし、その仕組みや利点についてはまだ理解されていない方もいるのではないでしょうか?
この記事では、蓄電池の基本から詳しく、わかりやすくご紹介します!!
それではまず最初に結論をお伝えします。
・蓄電池は災害時だけでなく、日常生活でも賢く活用して節約できる便利なシステムです
・蓄電池の容量は「kWh」出力は「kW」で記載されます
・単機能、ハイブリッド、トライブリッドといった異なるシステムの連携方法があります。
・災害時の安全対策として優れているだけでなく、日常生活での経済的メリットも期待できます
1. 蓄電池とはどんなもの?
ここでは蓄電池とは、そもそもどんなものなのか?という疑問にお答えしていきます。
そもそも蓄電池とは?
蓄電池は、電力を蓄えるための装置です。電力会社からの電力だけでなく、太陽光発電で生成した電力も蓄えることが可能です。これにより、電力会社から電気を購入せずに、蓄電池の電力を利用して生活することができます。例えて言えば、コンセントを使わずに動くコードレス掃除機のように便利です。
通常時の使い方
通常時、つまり非常時でない場合、蓄電池は太陽光発電で生成した余剰電力を蓄え、夜間など発電ができない時間帯に放電します。また、深夜電力を蓄えて日中の高単価時間帯に使用することで、節電と節約が可能です。
通常時に特別な操作なく、普段通り電気を使うことが、節電と節約になっていると考えてください。
停電時の使い方
停電時には、家庭用蓄電池が非常に重要な役割を果たします。
停電時、蓄電池は家庭で非常に重要な役割を果たします。蓄電池のサイズによりますが、小型システムでも冷蔵庫や照明、通信機器などの基本的な電力需要を一晩程度カバーできます。大型システムでは、空調を含む家庭全体の電力需要に対応可能です。
2. 蓄電池の容量について
蓄電池を選ぶ際に大切な基準が2つあります。それが容量と機能です。
ここではまず、容量の見方について解説していきます。
容量の見方について
蓄電池の容量は、kWh(キロワットアワー)で表されます。このkWhの数字が蓄えられる電気量の違いです。家族構成や、停電時のニーズに合わせて蓄電容量は決めていきましょう。
出力について
出力は蓄電池が一度に供給できる電力量を指し、kW(キロワット)で表されます。出力が大きいほど、多くの電気製品を同時に使用できます。一般的な蓄電池は1.5kWから始まり、大きなものでは4kW以上の出力が可能です。
出力(瞬間)に時間を掛けると、容量になります。
例えば出力が大きくできる蓄電池を選んだときに、その出力を目いっぱい使うような使い方をすると、すぐに蓄電池の容量を使い切ってしまいます。
3. 蓄電池の種類とは
実はひとことに蓄電池といっても、使い方によって様々な種類があります。気になる蓄電池の種類について解説していきます。
単機能型
出典:ニチコン株式会社
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単機能型蓄電池は、基本的な蓄電・放電機能のみを持ち、他の機器との連携はありません。
太陽光発電のパワコンと分離していることから、メーカーが違うものを組み合わせたり、蓄電池単体で使用することが可能で、価格の安さ・導入のしやすさが大きなメリットとなります。
価格の手頃さと導入のしやすさが魅力です。しかし、停電時に限り太陽光発電との連動性に欠けることがデメリットです。
ハイブリッド型
出典:シャープ株式会社
ハイブリッド型は、太陽光発電と組み合わせて蓄電システムを使用するタイプです。発電で余った電気を無駄にしない運転も可能!
太陽光で発電した電力を直接蓄電池に貯めることができ、効率的に電力を管理できます。停電が長く続いた場合にも太陽光の電気を上手に使って、生活に必要な電気を蓄えることができます。
ただし、初期費用が高い点がデメリットとも言えるので、ハイブリッド型を検討しているのであれば、費用の相談や確認をしっかりおこないましょう。
トライブリッド型
出典:ニチコン株式会社
トライブリッド型とは、ハイブリット(蓄電池+太陽光)に追加して、「電気自動車」との連携が可能な蓄電システムです。トライブリッド型は、電気自動車も蓄電池として使えるので、蓄電容量がより大容量になります。基本的な動きはハイブリッド型と同じで、充電先の蓄電池部分が蓄電池と電気自動車に増えるというイメージです。
とても便利で魅力的ですが、ハイブリッド型よりも、さらに初期費用が増えるのでコストバランスを検討して導入をするといいでしょう。
4. 蓄電池は導入すべき?
最後に、蓄電池は導入すべき?と悩んだときに読んでほしい内容をまとめました。
結論からお伝えすれば、「導入した方が後悔しない可能性が高い」です。
蓄電池の導入は、多発する自然災害や停電、電力料金の高騰を考慮すると、非常に有効な選択肢です。特に、長期間の停電に備えることは、安心感をもたらします。
多発する災害と停電
近年は、自然災害の多発により停電が頻発しています。
また停電時間に目を向けると、2018年台風21号の120時間、2019年台風19号の280時間と、その停電期間の長さも生活には大きな影響を及ぼしました。
もし、このときに蓄電池があれば、停電時に住み慣れた清潔な家で乗り切ることも検討できます。(ただし、自治体等による避難勧告があれば、自家発電の有無に関係なく、避難所等へ避難しましょう。)
電力料金の高騰による自家消費の重要性
出典:オムロン株式会社
電力料金の高騰に伴い、太陽光発電の自家消費に注目が増しています。具体的な例でいうと、太陽光で発電した電気は発電単価がkWhあたり20円程度で、電力会社から買う電気代は31円程度です。
以下の式を見てもらうと分かる通り、昼は太陽光の電気で家の電力を賄うことができるので、1kWhあたり10円(約30%)電気代が安くなります。
昼:電力会社31円/kWh ー 太陽光発電 20円/kWh =電気を買うより11円お得
ただ夜はもちろん太陽光が発電しないので、この式は成り立ちません。そこで活躍するのが蓄電池です。蓄電池を使うことで、昼に発電した電気を夜に使うことができるので、太陽光の発電単価と同じ電気代で、夜も電気を使うことができます。
5. まとめ
今回は蓄電池について解説してきました。
・蓄電池とは災害時だけでなく平常時も、電気を賢く使って節約できるシステム
・蓄電池の選び方は「容量(kWh)」と太陽光との連携などの「機能」で選ぶことが大切
という2点について、少しずつ整理して考えてみてくださいね。
蓄電池を導入することで、災害時の停電や電力単価の高騰に賢く対応しましょう。
蓄電池を導入することで、災害時の停電や電力単価高騰の時代を賢く乗り越えていきましょう。