リフォームでは入荷待ち状態!今大注目の高性能窓サッシの基礎とは?

今回は窓サッシのお話です。
2023年、リフォーム市場は窓リフォームのブームに沸いています。特に高性能窓サッシが注目されており、補助金の影響もあり、メーカーは生産が追いつかないほどの入荷待ち状態です。この記事では、高性能窓サッシの基本から、その魅力と効果を詳しく解説します。

まずは、今回の記事の要点です!

要点

・高断熱サッシは様々な種類があるが、売れ筋商品は複層ガラス+樹脂サッシ 

・樹脂サッシに使っている素材は、塩ビ系の樹脂の為、劣化につよい

 ・断熱性能は大事ではあるものの、家として必要なデザインや開放感も忘れてはいけなく、そのバランスも大事

 ・高断熱窓サッシによる光熱費削減効果は年間約1.8万円!!

目次

1. 高断熱サッシとは

まずは最近の新築や、断熱リフォームで活用されている高断熱サッシとはどんなものか?を確認しましょう。

昔の窓サッシとは異なり、高性能窓サッシは、冬は室内の暖かさを保ち、夏は外の熱を遮断することで知られています。
この技術は、新築や断熱リフォームで重要な役割を果たしています。では、具体的にどのような種類があるのでしょうか?

1-1. 高断熱サッシの特徴や種類

出典:YKK AP株式会社

まず窓は、フレームである「サッシ」と、真ん中の「ガラス」から構成されています。サッシは、昔はアルミ製が主流でしたが、金属は紫外線などに強く耐久性がある一方、熱を伝えやすいデメリットがあります。冬にアルミサッシを触ると、ヒヤっと冷たいですよね。熱を伝えやすい、ということは熱を断ち切る(=断熱)とは逆行になっており、室内の冷暖房をたくさん使ってしまう原因になってきます。

これが昨今は樹脂製のタイプが主流になりつつあります。

サッシの断熱性能のランクとしては、

1、「アルミサッシ」

2、「外側だけアルミ製+内側が樹脂製」

3、 「外側も内側も樹脂製」 

このような順番に、断熱性能が高くなっていきます。
さらに内外樹脂製のサッシよりさらに断熱性能が高いタイプとして、最近では木製サッシも登場しています。このようにフレームにまずランク設定があります。

そして、窓の大部分を占めるガラス部分にも種類やランクがあります。

ガラス部分のランク

1、単板ガラス(ガラス1枚)

2、複合ガラス(ガラス2枚)

3、複合ガラス+Low-E(ガラス2枚+遮熱・遮光フィルム)

4、トリプルガラス+Low-E(ガラス3枚+遮熱・遮光フィルム) 

ガラスが複層になっているタイプの場合、中の空間に空気が入っているのか、それとも断熱性が高い専用のガスが入っているか、にもよって変わってきますが大枠としてはこのようになっています。

最終的に売れ筋になっている組み合わせは、複合ガラス+Low-Eと樹脂サッシです。

1-2. 樹脂サッシって劣化しないの?気になる耐久性!

ここで、多くの方が思うのは「外側って樹脂でだいじょうぶなの?」という疑問です。洗濯バサミが数年でボロボロになったりするイメージで、紫外線で劣化しそうだと思いますよね。そこはご安心ください。

樹脂サッシはPVC素材を使用しており、紫外線に強く、長期間の使用に耐える耐久性があります。

出典:YKK AP株式会社

樹脂サッシに使われている樹脂は、PVCと言われる種類の樹脂で、よく配管に使われている素材です。みなさんがよく目にする洗濯バサミなどは、PPといって樹脂の中でも柔らかい素材になっています。
そのため長年、紫外線に晒されていても劣化しにくく、断熱性能だけでなく耐久性も高い素材になっています。

2. 窓サッシは断熱を考えるうえで「超」重要

断熱は、現在の新築・リフォームでもっとも ホット なキーワードであると言っても過言ではないです。その中で、窓サッシは重要な役割を担っています。その理由は、まさに窓から出入りする熱エネルギーが一番大きいからです。

2-1. 冬は52%、夏は74%も熱が出入りする

出典:YKK AP株式会社

上記の図では、アルミフレーム(複層ガラス)の窓の家における熱の流入出の割合を表しています。よって、ガラス1枚でアルミフレームの家であれば、より一層熱が出入りしていることになります。熱は高いところから、低い所に移動する性質があり、夏冬はその原理が働いて、外気と同じ温度になろうとする現象を、エアコンで調整しているわけです。冬には家の中の暖房エネルギーが逃げて、夏には暑い外気が室内に入ってきて、冷房エネルギーが温められます。その熱の出入りが、壁や床ではなく窓サッシから出入りする割合が高く、このサッシの対策をしっかりすることが重要と言えます。

2-2. デザイン性を重要視する方にも大事な要素

このように窓は熱が出入りしやすい場所でもありますが、これは面積にも比例していきます。当然、面積が大きい窓の方が熱の出入りがたくさんあり、面積が小さい窓は熱の出入りが少なくなります家全体の断熱性能を上げていこうとすれば、窓の面積を小さくしていくことで実現します。しかし、これは断熱という視点で見ればポジティブな話ですが、実際の住み心地を考えた時には果たして本当にポジティブでしょうか?性能を重視したい方であればよいかも知れませんが、せっかくに新築でリビングでの開放感や、日当たりの良さを重視する方は多いでしょう。

そのとき、窓を大きくするのであれば、性能のよい窓を部分的に導入することがおすすめです。

全ての窓で高性能な窓を導入してしまうとコストも上がってくるため、リビングなどの大きい窓だけ高性能なタイプにするといった対策をすると、コスト・デザイン・性能のバランスを取りやすくなります

窓の大きさは、断熱性能と直接関係しています。しかし、デザインや開放感も重要な要素です。高性能な窓サッシを選ぶことで、デザインと機能のバランスを取ることが可能です。

3. 高性能窓サッシの実際の効果

それでは、これらの高性能窓サッシの効果を見ていきましょう。

出典:YKK AP株式会社

上図は冬のサッシまわりを、サーモグラフィーで見た時のイラストです。左側は、いわゆる樹脂サッシになっており、全体的にオレンジ色~黄色が目立つように、窓まわりから冷気が入り込みにくくなっているのが分かります。一部、ガラスの下部などの隙間から冷気が入り込みやすくなっていますが、それも限られた部分となって床面も冷え切っている状態ではありません。

一方、右手はアルミサッシの1枚ガラスの部屋の図です。

ガラス部分は冷気で冷え切っており、真っ黒になっているのと、フレームであるサッシ部分も青くなっており、絵からも寒そうな雰囲気です。

窓ガラスだけでこれだけの違いがあり、これらが冷暖房にかかるエネルギーを左右してきます

3-1. 光熱費は年間で約1.8万円の節約に

出典:LIXIL株式会社

こちらはLIXILからの出典ですが、従来の1枚ガラスのアルミサッシの場合、年間で掛かっている冷暖房費が8.3万円となっているのに対し、6.5万円となっています。

その節約効果は約1.8万円となっており、電気代が高騰している昨今には嬉しい効果です。

この試算は一般的な120㎡の家(約36坪)で試算されているため、これより家が大きい方であればより一層効果が高く出ます。

4. まとめ

このように窓サッシは快適性に繋がる性能だけでなく、光熱費の削減効果にも役立ちます。新築だけでなく、リフォームでも補助金の対象になっており、国や地方自治体の補助金制度を利用すればさらにオトクに工事ができます。

窓サッシの有効活用を考えている方は、素材やデザインのバランスなどについて、具体的に相談してみてはいかがでしょうか?

今回の記事を参考に、窓リフォームもしくは高性能窓を導入した新築を検討し、より快適な生活になるように計画してみてくださいね。

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