- 「頭の中のイメージを上手に伝えられなかった」
- 「伝えようと思っていたことを忘れてしまった」
- 「完成した家に伝えたはずの要望が反映されなかった」
これは注文住宅を建てた方から多く聞かれる「失敗談」です。
どんな間取りにするか・どんな設備を取り入れるかを入念に決めることも大切ですが、理想のマイホームづくりのためには、建築会社との打ち合わせの進め方が非常に重要です。
人生で一番大きな買い物である注文住宅。打ち合わせのコツをしっかりと押さえて、ずっと暮らしたくなるお気に入りの空間を作りましょう。
注文住宅の打ち合わせが重要な理由
理想の注文住宅を作り上げるためには、建築会社(工務店、ハウスメーカー、設計事務所等)と依頼主が一致団結することが大切。そして、注文住宅を建てる際の打ち合わせは、建築会社と依頼主がそれぞれ持つ「ノウハウとイメージのギャップを埋めるため」に行います。
建築会社が持つノウハウや技術と、依頼主が持つ理想の住まいのイメージ、どちらか一方だけでは家は建ちません。だからと言って、建築会社が主体で進めてしまっては建売住宅と変わりませんし、依頼主のイメージが十分に反映されなければ、理想とかけ離れた家になってしまう可能性もあります。
注文住宅の打ち合わせでは、手に入れたい暮らしやイメージを建築会社に伝え、それを実現するためにどのような構造・間取り・設備を取り入れるかをすり合わせていきます。
実際に家が建った時に「イメージと違う」「こうしたいと伝えたはずなのに反映されていない」といった不満につながらないよう、打ち合わせ段階で十分な情報交換が必要なのです。
注文住宅の打ち合わせを上手に進めるコツ
注文住宅の打ち合わせを上手に進めるためには、以下の5つを意識しましょう。
- 事前準備を入念にする
- 先に建築会社に話してもらう
- イメージを写真や絵で伝える
- 打ち合わせ内容を記録する
- 分からないことは必ず質問する
1つずつ詳しく解説するので、限られた時間で効率的に打ち合わせを進められるよう、ぜひ参考にしてみてください。
1.事前準備を入念にする
打ち合わせに入る前に、まずは「どんな家にしたいか」を決めておきましょう。家づくりの軸となる部分を決めておくことで、導入すべき設備や、必要な間取りが見えてくるため、マイホームの構想をスムーズに固められます。
事前に決めておきたい項目を下記にまとめました。
項目 | 具体的な内容 |
希望予算と予算の上限 | 明確な建築費用・諸費用・外構工事費用など |
家全体のテイスト | ナチュラルな家、モダンな家、インダストリアルなど (わからなければ写真を見せる!!) |
価格・デザイン・機能性のどれを重視するか | 費用はかかっても床暖房にしたい、トイレを1つだけにして建築費用を抑えたい、高気密高断熱だけは譲れないなど |
ライフスタイルを取り入れた間取り | Zoom、リモートワーク用の書斎、服好きな方への大きいウォークインクローゼット、アウトドア好きな方へ土間収納orクローゼットor外部収納、和室必須、脱衣所と洗面所を分けた間取りなど |
住宅設備のグレードやオプション | システムキッチンで導入したいものがあれば!その他の仕様は基本標準から打合せスタート! |
建築会社とのやり取りを毎回別の人が行ってしまうと、何を伝えて何を伝えていないのかがわからなくなってしまいます。そのため事前準備の段階で、誰が建築会社の担当者とのやり取りをするのかを決めておくことも重要です。
そして、もう1つ覚えておきたいのは、「すべての要望を叶えられるとは限らない」ということです。これは必ずと言っていいほど発生します!予算や面積、家を建てる住環境によっては実現できないものも出てくるため、「これだけは譲れない」という優先順位を決めておくといいでしょう。
2.先に建築会社に話してもらう
最初の打ち合わせでは、自分が思い描くイメージを伝えることよりも、建築会社のこだわりや得意な建築工法を話してもらうことが重要です。
「要望ははっきり伝えた方がいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、最初から希望を伝えすぎても、基本「建てられます」で返ってきます。予算や、建てたい時期等、建てる意思があることを伝えた上で、はじめのうちは希望を話したい気持ちをぐっとこらえて、建築会社の特色や強みを話してもらうことに徹底しましょう。また、やり取りする担当者さんとのコミュニケーションをとることも重要です。そうすることで、自分が理想とする家を作ってもらえそうか、その建築会社と一緒に建てたいかを見極められるよう
3.イメージは写真や絵で伝える
間取りや内装の雰囲気を伝える際には、イメージに近い写真や画像を用意したり、絵を描いたりして視覚的に伝えるようにしましょう。
建築会社側は背面図やCGを使って説明する場合もありますが、そこに口頭だけで要望を伝えてしまうと、スムーズに伝わりにくいばかりか、間違った認識で伝わってしまう可能性もあります。
建築会社のホームページや施工写真を見る過程で、理想に近いものが見つかっていれば、印刷したり画像を保存したりしておくだけでも、担当者にイメージが伝わりやすく便利です。
4.打ち合わせ内容を記録する
打ち合わせの内容は、もらう資料、携帯にメモを取るなど、必ず記録に残しておくようにしましょう。
注文住宅の打ち合わせでは、営業担当者と依頼主との間に「言った言わない」のトラブルが必ずと言っていいほど起こります。打ち合わせ中には多くのアイディアや提案が行ったり来たりするため、自分の要望をどこまで伝えたのかがわからなくなってしまうことが原因の1つと言えます。
打ち合わせ当日以外に担当者とやりとりする場合であっても、電話だけにとどめず、メールで記録を残すことも重要です。
過度な記録を要求するのはあまりお勧めしませんが、お互いに気持ちよく打ち合わせを進められるよう、進め方も話しててもよいかもしれません。
5.分からないことは必ず質問する
これまで打ち合わせのコツを4つ紹介しましたが、何よりも重要なのは、分からないことや不安点をそのままにしないことです。
ほとんどの方にとって注文住宅を建てることは初めての経験。難しい専門用語や建築工法など、今まで見たことのないものに多く直面し、戸惑いの連続になることでしょう。そうした疑問や不安をそのままにして家づくりを進めてしまうと、家が完成するまでだけでなく、完成後もマイホームに対して安心感を抱くことは難しくなってしまいます。
信頼できるハウスメーカーであれば、どんな些細な質問に対しても真摯に答えてくれます。不安を解消するだけでなく、納得のいく注文住宅を建ててくれる建築会社かを見極めるためにも、分からないことは積極的に質問しましょう。「打合せのあとで調べよう」も大事ですが、ここはしっかりと聞くようにしましょう。
注文住宅を建てることは共同作業
理想のマイホームを建てるためには、どんな家を建てたいかを明確にすること以上に、建築会社との打ち合わせの質を高めることが重要です。
そして打ち合わせの場は理想を伝えるだけでなく、自分の希望に耳を傾けてくれる担当者か、イメージする住宅を実現できる強みを持ってくれる建築会社かを見極める場でもあります。
マイホームは建築会社の技術やノウハウと、依頼主の具体的なイメージ・アイデアが歩み寄ることで初めて実現するのが「理想のマイホーム」です。
ぜひ打ち合わせの場を上手に活用して、夢のマイホームを作り上げてください。